生活と映画 cut.3 「犯人はヤス」その奥にあるもの。

あなたは「犯人はヤス」という言葉を聞いたことがあるだろうか。今回のコラムのタイトルにもある「犯人はヤス」は「犯人は身内」あるいは「物語のネタバレ行為そのもの」を示すいわゆるネットスラングだ。シンプルかつあまりにも唐突なこの言葉は本作をプレイしたことのない層にまで浸透した。しかし上記のように本人の自白(最終的に主人公は「たいほする」を選んでいない)に至るまでの切ないドラマが描かれていることまでを記憶している人は意外と少ないのかもしれない。ポートピア連続殺人事件は「犯人はヤス」の一言で片付けてしまうのは勿体ない名作なのだ。誰にも言えぬ過去を抱えた登場人物たちの想い、かつて悪をなした人物の悔悟、復讐のむなしさ。だからこそ「犯人はヤス」に思う。「そこじゃあねえんだよ。」と。