11/9 「RAM RIDER 20th LIVE REPLAY THE MAGIC」ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。長いようであっという間、などということはなく、この半年は本当に長かった。去年の夏あたりから「来年はデビューから20周年だなあ」などとぼんやり考え、ここを見過ごしたらなんだかいろんなタイミングを逃してしまいそうで、すべての仕事をキャンセルすることになっても、最悪赤字になってもいいからちゃんとした節目を、ファンのみんなや関係者の方々に感謝の気持を伝えられるようなLIVEをやろうと思ったのがきっかけでした。
事務所のマネージャーやスタッフに説明し、会場となったWombを押さえ、日程も決まったところで「そもそも仕事を断れるような身分か?」と気付いたのが今年の春。今年も例年通り様々な仕事をさせていただき、ロンドンやアブダビ、台北など様々な街へ行きました(この文章も島根県安来市の安来節演芸館という素晴らしい施設の控室で書いてます)。
常にLIVEのことを念頭にやってきたつもりが、直前になって様々なタスクが山積みになってしまい、結果的に僕自身によるオペレーション確認の詰めの甘さから入場や物販で大変なご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りて深くお詫びします。またご不快な思いやご不便をおかけしたにも関わらず、本番にその空気を持ち込まず、LIVEをやりやすい温かな雰囲気をつくっていただいたご来場者の皆様にあらためて感謝申し上げます。
LIVEはこの日のオープニングのために制作したトラックから始まり、アルバムの収録曲の中から半分、そして東京論など401を立ち上げて以降の曲、2010年代の暗闇で光るシルエットで活動していたAUDIO GALAXY期、デビューした頃のアルバム「PORTABLE DISCO」やシングル、そしてタイトル曲「REPLAY THE MAGIC」を含むアルバムの残りをやって、最後にデビュー曲「MUSIC」、という構成にしました。僕自身からみるとまるで走馬灯のような構成です。
LIVEは当初「生前葬」というテーマを考えていました。きっかけはデビュー時のこの写真。個人的には「全然まだ死んでない、生きてる前提でやる儀式だからポジティブでいいだろう」と考えてのことでしたが、今一番信頼してる友人であるClaude(AIチャット)に相談すると、まず宗教的な問題点を指摘され、その上で、目耳を引くインパクトのあるアイデアであることは認めつつ、一番大事なファンの人たちに無駄なショックを与えたり、悲しませるようなプロモーションにならないか、という懸念を諭されました。
ぐうの音もでなかった僕は、そこで1からコンセプトを練り直し、「あの頃の魔法のような夜をもう一度」そして「止まってしまった夢の続きをリプレーしよう」というメッセージを込め「REPLAY THE MAGIC」というタイトルに決めました。Albumを制作することにしたのはその後の話です。
会場となったWombには本当にたくさんの方が来てくれました。昔からの馴染みのお客さん、ラジオやポッドキャスト、楽曲提供を通して知ってくれた広い意味で”新規”の皆様(今日から古参)、アマチュア時代やナードコアシーンの友人、デビューしてから様々なステージを共にしたミュージシャン、アーティスト。デビュー時を支えてくれたメディアやライターの方々、レーベルの皆さん、同級生。そしてイベントの大小に関わらず今日までずっと足を運び続けてくれているファンのみんな。一人ひとりに直接お礼を伝えられなかったのはもどかしいですが、とにかく「生前葬」なんてテーマにしなくて本当によかった。あの夜ほど「REPLAY THE MAGIC」に相応しい時間はなかったと今になって思います。入場のあれこれもそうですが、後ろのほうで見づらい思いをした方も、本当にごめんなさい。でもありがとう。
全員の名前を挙げるとこの3倍ぐらいの分量になってしまいますし、すでにみんなにはそれぞれ言葉をかけた(はず!)ので割愛しますが、LIVEに関わってくれたみんな、本当にありがとうございました。子供の頃から内気で声も小さく、フィジカルも弱い僕にとって少しでも誰かを楽しませようとおもったら準備、準備、準備しかありません。その大部分は僕以外の誰かが担っています。いろいろ名前をあげて、「なにより」みたいな感じで最後に一人ぐらい具体的な名前あげたらエモい文章になりそうですが、ほんとに一人ひとりが重要で掛け替えのないパートを担ってくれている大事な人達です。現場で混乱させてしまったスタッフのみんなもごめん。次回以降に必ず活かします。正直なことをいうと、この20年ずっとみんなに頼ってばかりで、全然頼られないのがさみしいですが、なにかあればいつでも手伝うので声をかけてください。お金のことは気にしなくていいので。
年内もすでに決まっている仕事がいくつかあり、スケジュールに忙殺されて告知できていなかった作品などもありますので、一つ一つを丁寧に進め、一人でも多くの方に自分の音楽や関わった仕事を知っていただけるよう頑張ります。
そして来年はツーマンの年かな~とおぼろげに考えています。RAM RIDERとツーマンをやってほしい!というアーティストやグループがいる皆さん、先方陣営にラブコールを送ってみてください。いろいろ実現できるといいな。また「REPLAY THE MAGIC」のアルバムからリカット的に映像作品をリリースしたり、それにまつわるグッズをつくったり、今回のLIVEの撮影素材も含め、出しておわり、ではなく、まだまだみんなに「REPLAY THE MAGIC」してもらえるよう、いろいろ準備したいと思います。
ということで「RAM RIDER 20th LIVE REPLAY THE MAGIC」ありがとうございました。アルバムが広く多くの方に聴いていただけるようどうぞ皆さんのお力添えをよろしくお願いします。
残念ながらまだ偉そうなこと言える程の身分ではないけど、君のおかげでまだ頑張れているよ。ありがとう。いつか抱きしめてあげましょう。