2015/10/6(Tue)
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Zアイランドを観ました。

とりあえずみんなキングスマン最高なんで観てください!話はそれからだ!

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さて品川祐監督の「Zアイランド」の話です。般若さんの宇多丸さんへのビーフがきっかけで思い出したこの作品ですが、宇多丸さんがウィークエンド・シャッフルの生放送にてラップで返答したその瞬間、僕も同番組のDJコーナー「ディスコ954」への出演を控え、その場にいたのです。詳細は上記リンクの書き起こしを参考にしていただきたいのですが、宇多丸さんは上映中に映画批評の対象にセレクトできなかった落とし前として(ご本人はなんも悪くないんだけど)DVDを購入して語りますよ、とアンサーし、その批評を先週の放送で披露されました。そのラップを聞いたのが頭の隅に残っていたのか、僕は僕で翌週タマフルニコ生24時間に出演しシェンムーについて語らせていただいた際にも「観ないで批判するな」の例えに品川監督の作品「漫才ギャング」や「サンブンノイチ」を引き合いに出しました(どっちも観てます)。なんで一応僕もAmazonにて購入し昨晩鑑賞しましたので録音した宇多丸さんの批評部分を聴く前に先にメモっておこうと思い立ちこのエントリーを立ち上げました。メモ&感想文レベルですがネタバレしてますので未視聴の方は是非鑑賞後に。

Zアイランド

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概要
「ドロップ」「漫才ギャング」などの品川祐監督が手掛ける最新作。ゾンビパニック×任侠×群像劇。

前回映画批評の真似事をして「ソロモンの偽証」のことを書いてものすごく時間がかかったので今回は簡素にいきたいと思います。ゾンビパニックを主軸とした群像劇なんだけどとりあえず公式サイトのトップやポスターに同じキャラクターが複数描かれてるのが気になりました。箇条書きでいきます。観た人むけ。

いまいちだったところ
*アクションシーンの編集がまた300風
アクションシーンの「早回し+インパクトの瞬間だけスロー」手法、また使ってる!300やシャーロックで多用された編集方法だけどぱっと見の派手さの代償として「アクションが下手な俳優のアクションをスピードで誤魔化してる」ともとられてしまう。今回はアクションがうまい俳優さんも起用されていて全編この編集でやるのはもったいないと思うし、作品単体でみてもちょっとしつこいと思います。動ける人のアクションは素で観たい。そしてそういうキャスティングを品川さんはされている。歌がうまい子を集めてるのに「なんとなくかっこいいから」という理由でオートチューンをきつめにかけてる曲みたいな印象。

*セリフが助長気味
品川さんの作品はどれも登場人物のセリフが助長的でもったいない。今回のZアイランドもそう。おそらくパルプフィクションのような無駄話的なやつをやりたいんだと思うけど会話の内容がすべてストーリーに直結しているので説明的になってしまっている。パルプフィクションのトラボルタとサミュエルの会話は中身の面白さもさることながら「これから人殺すというのにこんなどうでもいい会話をしている二人」という演出になっているので似て非なるものだと思いました。ターゲットを考えてわかりやすくしているか、そもそも観客を信頼していない(これぐらいちゃんと説明しないと伝わらないと思っている、ある意味真実ではある)、ということなのかも。それともうひとつ、やりとりが漫才的なのはいいとしても全ての登場人物の会話のテンポや言葉選びが品川さんの生き写しになってしまっている。そういう意味では110番のシーンにこの映画の良くない部分が集約されていると思う。また漫才は前提として「この人たちが日々修練した(アドリブではない)漫才を楽しんでみる」という意識が観客にもあるけど、映画の中であまりにもツッコミのテンポが良すぎたり、出来過ぎたやりとりが続くと観てる側がさめてしまう。あらためて気になった部分だけ見返したけどこの「異常なまでに嘘っぽい会話のテンポのよさ(=品庄の漫才っぽいスピード感)」を排するだけでぐっと引き締まる気がする。また会話劇的なシーンでそれぞれの登場人物のカットを細かく割るのもあまり小気味よすぎると前述したような嘘っぽさに拍車をかけてしまうと思う。

よかったところ
*ゾンビ描写全般
日本のゾンビ映画でこれだけゴア描写を描いたのは素晴らしいと思います。人間が喰われるシーンやゾンビにトドメを刺す瞬間をきっちりアップで映してくれるのでみていて目が気持ちいい。この辺の表現から逃げずに映画を完成させたのはすごいことだと思います。離れ島という設定が功を奏したのか、「わらわら出てくる感」もまあまあでてた。

*風間俊介さんの医者パート
「マジか速い方か~~~!!」と自転車でゾンビから逃走するシーンはかなり好き。映画全体に「オレ、ゾンビ映画結構観てますよ。」的な匂いがこれでもかというほど漂っている中、「このゾンビは速いやつかノロいやつか?」の二択はスマートで「あ、この映画面白いかも」と思わせる場面だった。全体的に風間俊介さんのシーケンスは良かったなと思いました。軽口や冗談、漫才的なやりとりは全部彼の役に集約するぐらいでもよかったんではないかとさえ感じた。実際この自転車のシーンは予告編などでも流れてました。

多くのゾンビ映画の登場人物が「ゾンビになってしまった元近親者」に襲われる運命にあるわけですが、その点でも風間俊介さんの演じる医者の選択はなかなか面白かったです(逆をいえば他の登場人物も似たような選択をするのが惜しい)

*キャスティングがいい
話題の発端となった漁師役の般若さん、ナース役のシシドカフカさん、ヤクザのRED RICEさんなどミュージシャンの起用が全部はまってる。会話のテンポの良さもあって(良し悪しということか)役者さんの演技とよく馴染んでいた。

書いてる途中でやっぱり長くなってしまった。ラストの意外なカメオ出演もよかったんじゃないでしょうか。品川さんの次回作も期待しています!次回は是非長ゼリフと300編集を封印したやつをお願いします。